2017年1月13日

Date: 4.00pm-5.30pm, Friday, 13 January 2017
Place: Room 331, Faculty of Science Build. 1
日 時:2017年1月13日(金)16:00~17:30
場 所:一号館331

Speaker1: Ayaka Saito
Title: Doping incompatible Barium ion into calcite (CaCO3) through amorphous calcium carbonate (ACC)
講演者1:斉藤 綾花
タイトル:非晶質炭酸カルシウム(ACC)を経由したカルサイトへのバリウムイオンの取り込み

炭酸カルシウムの主な多形は常温常圧で安定なカルサイトと高密度相のアラゴナイトである。Ca2+(1.00 Å)よりもイオン半径の大きいSr2+(1.18 Å)やBa2+(1.35 Å)はアラゴナイトには取り込まれやすいが、カルサイトには取り込まれにくい不適合元素としてふるまうことが知られている。本研究室の先行研究から、準安定相である非晶質炭酸カルシウム(ACC : amorphous calcium carbonate)に不適合元素であるSrをドープし、カルサイトへ結晶化させることで、カルサイトの構造中にSr2+が取り込まれ、格子体積が増大することが報告された。本研究では、Sr2+よりもさらにイオン半径が大きく、より不適合性が高いBa2+のカルサイトへの取り込みを試みた。まず、Baを含むACCを合成し、次に、加圧または加熱によってACCを結晶化させた。結晶化によって得られたカルサイトの粉末X線回折パターンから格子パラメータを算出した結果、カルサイトの格子体積が増大し、カルサイトの構造中にBa2+が取り込まれていることが分かった。
本セミナーでは、これまでの実験結果と考察を報告する。

Speaker2: Yukiko Hoshino
Title: Reaction of silicate and NH3-fluid under high temperature and high pressure
講演者2:星野 由紀子
タイトル:高温高圧下におけるアンモニア流体とケイ酸塩鉱物の反応

マントルに存在しうる窒素流体は、深部になるにつれて酸素フガシティが低下するため、窒素分子ではなくアンモニアとして存在するようになることが知られている。したがって、より深部に存在するマントル鉱物の窒素との反応を検証するためには、かんらん石、輝石の高温高圧条件下におけるアンモニアとの反応を見る必要がある。今回、ダイアモンドアンビルセルを用いてそれぞれの粉末をアンモニア流体下で約5GPaに加圧し、CO2レーザーで加熱した(約1500K)。XRDで格子体積を見積もりその変化について、また回収試料のXPS、SEM-EDSで測定・観察し、表面の状態や組成についても考察したため報告する。