開催趣旨

 地殻化学実験施設は、昭和53年(1978年)4月に理学部の附属施設として新設され、今年で設立40周年を迎える。「地殻化学」という名称は理化学辞典や地学事典に掲載された学問分野ではなく定義が曖昧である。さらに対応する英語名もない。この名称が採用された背景には、地震を地球化学的に研究することの新規性と重要性が世界的に認められた時代であり、将来、地殻化学研究がさらに拡大することを念頭に置いて名付けられている。研究分野は、創設当初の期待通りに、地震化学だけでなく火山化学、海洋底化学、地球深部化学、宇宙化学、生命化学と地球化学の広い分野を横断しており、地球惑星で起きているさまざまな現象を化学的な側面から解明する国内外でも特色のある研究教育機関として成長を続けてきた。施設構成メンバーの研究対象は大きく深化・拡大している。「地殻化学」という名称は、こうした長年にわたる研究の多様化を包容する懐の深さがあり、現在もなお、その言葉の新鮮味は失われていないように感じる。地殻化学実験施設は依然としてその研究分野を拡大・成長を続けている。そしていま、更なる発展を遂げるための転換期を迎えようとしている。学術研究の急速な多角化・多階層化・高速化の時代を迎え、時間をかけてじっくりと基礎研究を続けることが難しくなっている。しかし地殻化学実験施設が取り入れてきた「化学的な手法で地球の現象を理解し、次世代の研究者を育成する」という基本的な理念は今も不変である。

 地殻化学実験施設は今年で創立40周年を迎える。これを機会に、諸先輩、OBの皆様と現構成員との情報交換を行い、研究交流を深化する機会として創立40周年研究集会と交流会を開催することとした。(平田岳史・施設長)

The 40th Anniversary

地殻化学実験施設創立40周年記念研究集会

日程:2019年3月23日(土)

時間:13時~17時

場所:東京大学農学部セイホクギャラリー

交流会:フォレスト本郷(18時~20時頃)

参加申し込み締切:2019年3月1日(金)

地殻化学実験施設構成メンバー

鍵 裕之

平田岳史

小松一生

森 俊哉

角森史昭

飯塚理子

更新履歴:20190112

参加申し込み・お問い合わせ

鍵 裕之・森 俊哉