2006年3月2日& 3日 桜島 SO2放出量観測


観測者: 山本圭吾(京大防災研)・森 俊哉
天候: 両日とも晴れまたは薄曇

放出量  3月2日 平均放出量 1020 ton/day (max: 1570 ton/day, min: 600 ton/day)
      3月3日 平均放出量 870 ton/day (max: 1650 ton/day, min: 470 ton/day)

噴煙の様子
3月2日
  晴れだが,最初は全体的に雲は大目.火口から離れると噴煙は見えにくくなり,裏に雲がある場合は噴煙と雲の見分けがつきにくい.全体的にかすんでいて,ぼやっとしている.噴煙は有村先の東側方面に流れていた.噴煙速度には鹿児島気象台の高層気象観測原簿より抜粋した値を使用する.右の写真は11時過ぎに黒神から撮影した桜島の様子.
9:00ゾンデ 約1500 m上空
風向:305° 風速: 18m/s


3月3日
午前中早くは薄曇で覆われていたが,次第に晴れ間が多くなる.但し,雲が常に山頂の裏側を流れていて,噴煙との区別しづらい状態.噴煙は,3月2日より若干東方向へ流れていた.風速には,鹿児島気象台の高層気象観測原簿より抜粋した値を使用する.
9:00ゾンデ 約1500 m上空
風向:299° 風速: 12 m/s




トラバース経路と噴煙方向

3月2日と3月3日のトラバース経路はほとんど一致するので代表的なものを赤色の線で表示した.また,噴煙の方向は,それぞれの日の平均値を矢印で示した.3月2日は136度(青色),3月3日は138度(黄色)であった.また,噴煙の範囲は,3月2日,3月3日とそれぞれブルーとイエローの影をつけて示した.
 













観測結果

3月2日は午前中に13回のトラバース測定を行った.この13回の噴煙中心の方向は平均136°(126°〜 144°)で,ほとんど一定であった.表1に放出量を示す.3月3日は午前中に10回トラバースを行った.噴煙中心方向の平均は128°(122°〜138°)で,観測時間中に大きな噴煙方向の変化はなかった.表2に3月3日の放出量を示す.

表1: 2006年3月2日のSO2放出量 噴煙速度は9:00のゾンデの1500m値を使用

Traverse 時刻 噴煙方向
deg
噴煙速度
(m/s)
放出量
(ton/day)
tr1 09:49:54 136 18 1356
tr2 10:03:25 134 18 764
tr3 10:11:01 140 18 606
tr4 10:19:18 144 18 749
tr5 10:25:55 142 18 1418
tr6 10:52:44 126 18 830
tr7 11:01:53 138 18 885
tr8 11:12:07 138 18 1099
tr9 11:19:09 132 18 1271
tr10 11:35:42 143 18 1177
tr11 11:41:00 136 18 598
tr12 11:49:51 137 18 925
tr13 11:56:22 127 18 1574
Average 136 1019

表2: 2006年3月3日のSO2放出量 噴煙速度は9:00のゾンデの1500m値を使用
Traverse 時刻 噴煙方向
deg
噴煙速度
(m/s)
放出量
(ton/day)
tr1 09:55:42 125 12 474
tr2 10:24:52 125 12 473
tr3 10:32:56 127 12 880
tr4 10:40:44 131 12 520
tr5 10:47:29 121 12 801
tr6 11:02:48 130 12 688
tr7 11:13:01 125 12 869
tr8 11:35:51 138 12 1651
tr9 11:46:18 129 12 1014
tr10 11:57:01 123 12 1361
Average 128 873