2018年10月5日

Date: 16:00-18:00, Friday, October 5, 2018
Place: 3F, Lecture room, Main Chemistry Build.
Speaker:Kazuki Komatsu
日 時:2018年10月5日(金)16:00~18:00
場 所: 化学本館3階講義室
講演者:小松一生

講演者:小松一生(Kazuki Komatsu)
タイトル:水素ハイドレート高圧相から氷の新たな構造を探る

要旨:
純粋な氷には,少なくとも17以上の結晶多形が存在するが,その多くは高圧力下で見いだされており,水素結合の圧力応答の敏感さが氷の構造多様性に大きな役割を果たしていると考えることができる.一方で,最近発見された氷XVIおよび氷XVIIの生成には,温度や圧力といった外場の変化に加え,ガスハイドレートの脱ガスという,従来の氷多形の生成法とは全く異なるアプローチがとられている(Falenty et al., Nature, 516, 231 (2014), del Rosso et al., Nat. Commun. 7, 13394 (2016)).すなわち,ネオンや水素などのファンデルワールス半径の小さな分子をゲストに持つガスハイドレートを高圧下で合成し,それを低温下で常圧に回収した後に真空引きすることで,ゲスト分子を水分子フレームワークからとりさってしまうのである.さらに,水素ハイドレートについては,水素分子を抜き去った氷(氷XVII)に水素を最充填させることにも成功しており,水素貯蔵材料の候補としても注目を集めている.水素ハイドレートや氷高圧相の結晶構造の温度や圧力に対する変化を追うには中性子回折実験が適しているが,これまで複雑な温度圧力パスを自在にコントロールすることは技術的に容易ではない.本発表では、高圧中性子回折実験における技術的な困難を克服するために開発してきたMito systemと.開発した装置をJ-PARC/MLFのPLANETビームラインに導入することで得られた、高圧氷および水素ハイドレートに関するごく最近の結果について報告したい.

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今後の予定(変更の可能性有り、教員以外敬称略)
10月12日 鍵先生
10月19日 宮島、浅沼
10月26日 服部、山方
11月2日 北脇様(招待講演)
11月9日 仁木、織田
11月16日 中山、山根
11月30日 藤本、槇納