2016年12月16日

Date: 4.00pm-5.30pm, Friday, 16 December 2016
Place: Room 1302, Main Chemistry Build.
日 時:2016年12月16日(金)16:00~17:30
場 所:化学本館3階講義室

Speaker1: Yusuke Ishii
Title: Structure variation of boehmite under high pressure
講演者1:石井 優佑
タイトル:高圧下でのboehmiteの構造変化

水素結合は圧力をかけていくと対称化するといわれている。水素結合の対称化は高圧においておこる現象であり、物理的性質が変わると考えられる。しかし、今まで金属を含む物質での研究例は少ない。そのうち、δ – AlOOHは地球内部に存在する物質であるといわれており、水素結合の対称化が起こるとされているが、δ – AlOOHは秩序無秩序相転移が起こるため、圧縮挙動の変化がそれと水素結合の対称化のどちらか区別するのが困難であった。今回は、δ – AlOOHの多形であるboehmiteに注目した。boehmiteは常温常圧で無秩序相と考えられており、水素結合の対称化のみ効果を議論していくことができる。
前回ではX線回折と中性子回折を用いてboehmiteの圧縮挙動を求めたが具体的な解釈までは至らなかった。今回は、boehmiteのX線回折でのデータからstacking faultについて考えたうえ、中性子回折、ラマン分光法の結果を用いてboehmiteの水素結合の対称化について考えていきたい。

Speaker2: Tatsuro Shimada
Title: Grain growth of ice from aqueous solutions of sugars
講演者2:嶋田 達郎

冷凍食品は1970年代から急速に需要を拡大してきたが、近年その需要は伸び悩んでいる。その原因として消費者のニーズが簡便性やコストから質や安全性に変化したことが考えられている。質の向上に関して、冷凍食品の凍結方法や保存に関して様々な研究がおこなわれているが、不純物による粒成長に与える影響は明確にはわかっていない。本実験では冷凍食品の中で多量に含まれる糖に着目し、氷の多結晶体がどのように成長するかを観察することを目的とした。そのために数種類の糖の水溶液を急冷させて温度を上げたときの結晶成長の様子を偏光顕微鏡を用いてその場観察する実験を行った。