2020年8月7日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, August 7, 2020
Meeting ID: 327-949-041
Password: 222099
URL: https://zoom.us/j/327949041?pwd=VUQvUnJHazQydG9DQks2Rlh6NVRWUT09

日時: 2020年8月7日(金)16:00 – 18:00
ミーティング ID: 327-949-041
パスワード: 222099
URL: https://zoom.us/j/327949041?pwd=VUQvUnJHazQydG9DQks2Rlh6NVRWUT09

講演者:中野遥

Speaker: Haruka Nakano

タイトル:LA-ICP-MSによるラット脳の三次元イメージングの試み

Title:An attempt at 3-dimension Imaging of Rat’s Brain by ICP-MS

生体中に含まれる必須微量元素(Fe, Mn, Zn ,Co, Cu, Se等)は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患に関与していると考えられている(e.g. 川原ら, 2015;Chaurand et.al , 2004)。そのため、近年脳中の必須微量金属元素の分析の需要が高まっている。

レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)による元素イメージング技術は、多元素同時分析が可能であること、主要元素から超微量元素まで測定が可能であること、大面積(cm角)の分析が可能であることから、ラットの脳など生体試料における金属元素の分布の測定において有効な手法である。実際に、解剖学に基づいて得られた切片による脳中の金属元素のイメージング分析を行った研究結果は複数存在する(e.g. Becker et al, 2009)。しかし、連続した切片において金属元素の分布を比較・検討した例は少ない。また、金属元素のイメージング結果とMRIによる脳の三次元構造や、MALDIによる脳中のタンパク質の三次元イメージングの分析結果などと組み合わせることで脳内における金属元素と脳の構造・タンパク質などとの関連性を解明することが可能となる。

先ほど述べた分析結果との比較・検討を行うためには脳全体のイメージングを行い、それらを三次元に拡張する必要があるが、LA-ICP-MSによってラット、またはマウスの脳の三次元イメージング分析を行った例は存在しない。

そこで本研究では、ラットの脳の連続切片を分析して、それらの切片のイメージング結果の三次元への拡張を行うことを目指す。試料作製は、順天堂大学の松川・久保田による。分析には、四重極型ICP-MS(Thermo Fisher Schientific社製iCAP TQ)とNd:YAGレーザー(CryLas社製 FQSS266 – Q4)を用いた。

本発表では、現時点での分析結果と考察について紹介する。

講演者:  丸形詩歩

Speaker: Shiho Marugata

タイトル: バリウムイオンを 取り込んだカルサイト中の炭酸イオンの挙動

Title: Behavior of carbonate ions in Ba-doped calcite

炭酸カルシウム(CaCO3)は生体鉱物や堆積岩などとして地球上に普遍的に存在し、無機材料などとしても幅広く利用されている。二価の金属イオンの炭酸塩は主にカルサイト構造とアラゴナイト構造をとるものに分けられ、カルシウムイオンに比べてイオン半径が大きい二価の金属イオンはアラゴナイトに取り込まれやすく、カルサイトには取り込まれにくい。しかし、非晶質炭酸カルシウム(ACC)を経由することにより、本来カルサイトには取り込まれにくいストロンチウムイオンやバリウムイオン取り込んだカルサイトが合成されることが報告されている (Matsunuma et al., 2014; Saito et al., 2020)。また、カルサイト格子中に取り込まれるバリウムイオンの量が増加すると、XRDパターンにおいて113反射の消失が起こることが知られている。その後、分子動力学計算や低温下でのXRD, DSC測定から、バリウムイオンを取り込んだカルサイト中の炭酸イオンは静的無秩序状態であることが示唆された(Saito et al., 2020; Marugata bachelor thesis, 2020)。

本研究では、バリウムイオンを取り込んだカルサイト中の炭酸イオンの挙動についてさらに詳しく調べるために、固体NMR測定やダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた高圧下でのIR測定を行った。今回はそれらの実験結果を報告した上で、今後の展望を述べる。