Date: 16.00am-18.00am, Friday, 11 May 2018
Place: 3F, Lecture room, Main Chemistry Build.
Speaker:Yu Kikuchi, Naoki Yamaguchi
日 時:2018年5月11日(金)16:00~18:00
場 所: 化学本館3階講義室
講演者:菊地悠(Yu Kikuchi)、山口尚希(Naoki Yamaguchi)
講演者:菊地悠(Yu Kikuchi)
タイトル:格子面間隔及び格子定数を用いた土砂の法科学的地域特性化の試み
発表者が以前所属していた研究室では2009年より法科学分野への応用を目的とした日本全国土砂データベース(JRS-DB)の開発に着手した。全国3024ヶ所で採取された土砂(河川堆積物)について、放射光粉末X線回折分析(SR-XRD)により重鉱物組成を、高エネルギー放射光蛍光X線分析により重元素組成を明らかにし、背景地質と関連付けてこれらの情報を読み解くことで、土砂の起源推定が可能である。JRS-DBは2015年に完成し、法科学分野への応用が期待されているものの、国内の土砂の重鉱物・重元素組成は異なる地域でも酷似する場合が多く、これらの情報のみでは未知の土砂の起源推定が困難な場合がある。そこで本研究では、SR-XRDの回折パターンより得られる各鉱物の格子面間隔(d値)と格子定数に着目した。d値と格子定数は同じ鉱物種であっても固溶元素や化学組成の違いによって差異が生じる。本研究では日本全国に普遍的に存在し、かつ化学組成の変動が大きい角閃石に着目し、d値と格子定数を算出して詳細な土砂の地域特性化を目指した。
本セミナーでは角閃石のd値と格子定数の解析手法、双方を用いた土砂の詳細な地域特性化について報告する。
講演者:山口尚希(Naoki Yamaguchi)
タイトル:白金を主な配位中心とするシアナミド多核錯体の合成
Title: Synthesis of cyanamide bridged complex with platinum as the main coordination center
遷移金属多核錯体は単核錯体とは異なり、金属間相互作用に基づく特異な物性が発現することから、新たな機能性分子材料や触媒として注目を集めている。多核錯体を構築するためには金属と金属を繋ぐ架橋配位子が必要であり、シアノ (CN) やアジド (N3) といった N-base の架橋配位子は、磁性や半導体性、大きなスピン量子数といった物性を示すことから注目を集めている。シアナミドはそのような架橋配位子の1種であると考えられるがアジド、シアノと比べてシアナミドの架橋能を利用した金属錯体の合成例は少なく、中心金属の種類の違いによる構造や配位様式の変化について興味が持たれる。
そこで本セミナーでは、白金に注目し、未検討のPt(IV)を配位中心とするシアナミド架橋錯体の合成、及び既知のPt(II)シアナミド架橋錯体の金属フラグメント取り込みの基質適応範囲拡張実験を行った結果を報告する。
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=今後の予定(敬称略)=
5月18日 山本(平田研D1), KHOO(平田研M1)
5月25日 山根(鍵研D2)
6月1日 木多(ウィスコンシン大学)
6月8日 藤本(鍵研D3)