2020年5月8日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, May 8, 2020
Meeting ID: 327-949-041
Password: 222099
URL: https://zoom.us/j/327949041?pwd=VUQvUnJHazQydG9DQks2Rlh6NVRWUT09

日時: 2020年5月8日(金)16:00 – 18:00
ミーティング ID: 327-949-041
パスワード: 222099
URL: https://zoom.us/j/327949041?pwd=VUQvUnJHazQydG9DQks2Rlh6NVRWUT09

Speaker: Kota Yamamoto
講演者: 山本 康太
タイトル: 銅同位体比測定における質量スペクトル干渉および非質量スペクトル干渉の影響
Title: Effects of mass spectrometric and non-mass spectrometric interferences on measuring copper isotopic ratio

 生体には元素や化合物の濃度を一定に保つ恒常性機能が備わっており、病気や栄養状態に関連する代謝変化を濃度変化として捉えにくい場合がある。一方、同位体比は同位体効果と呼ばれる主に質量数の差に依存した反応効率の違いにより変化するため、濃度とは異なる代謝の情報を得ることができる。しかし、共存イオンによるスペクトル干渉および非スペクトル干渉は、安定同位体比データの信頼性を低下させる要因となる。本研究では、二種類の多重検出器型ICP質量分析計Nu Plasma IIおよびNeptune XTそれぞれについて、共存元素により生じる銅同位体比の系統誤差を調べた。発表では、それぞれの装置の機構とともに結果を紹介したい。

Speaker: Wataru Takahagi
講演者: 高萩 航
タイトル: 冥王代熱水環境を想定した電気化学反応場での非生物的窒素固定
窒素は生命に欠かせない元素の一つであり, タンパク質やDNA・RNA などの様々な生体高分子を構成している.しかし地球表層では主にN2として存在しており,安定な三重結合は窒素源としての利用を阻む大きなエネルギー障壁となっている.生物はFe-Mo-Sのクラスターを活性中心に持つニトロゲナーゼによってN2 を電子・プロトンと結合させアンモニアへと変換しており, この酵素反応は長年生命発生前の化学プロセスを今に残す名残である可能性が指摘されてきたがその実証に成功した報告はない.本研究では, 電子とプロトンの供給源として地球初期の深海熱水噴出孔環境における噴出孔内外の電位差を利用した電気化学反応場を想定し, 同環境において溶存窒素からアンモニアが生成する非生物学的窒素固定の存在を検証した. その結果, CO2, N2バブリング中で-1.0VSHEの電位をかけたFeS (熱水中のS2–と海水の溶存イオンが混ざって沈殿した非晶質硫化物を想定)が溶存窒素 (0.65mM, 25℃, 1bar)からの非生物的窒素固定を駆動できる可能性が示された. 本発表では, 熱水噴出孔周辺の電気化学場で起こりうる窒素固定を実験結果に基づいて検討・検証した結果を紹介する.