2020年6月5日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, June 5, 2020

Speaker: Shoh Tagawa
講演者: 田川 翔 (廣瀬研)
タイトル: レーザー加熱式DACを用いた鉄—水素系の実験技術開発

Title: LH-DAC studies on the Fe-H system at core pressures

水素が地球中心核に含まれるか。この問題の検証は、地球の起源物質やボラタイル量の制約に不可欠である。例えば、地震学的に観測される地球核の密度欠損が全て水素で説明される場合、核には最大120海洋の水に相当する水素が存在しうる。しかし、実験の技術的な困難さゆえに、鉄—水素系の高温・高圧研究は限られてきた。

発表者は、2014年以来、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル(LH-DAC)と放射光XRDを組み合わせ、超高圧・高温下での鉄—水素系の実験に取り組んできた。こうした実験では、水素原子位置と濃度は非直接的にしか決まらない一方、外核に相当するような条件下での測定が可能になるため、中性子線回折による研究と相補的な情報が得られる。これまで、170万気圧・4000 Kまでの実験を達成し、相関係・状態方程式の決定を行ってきた。

本セミナーでは、DACを用いた実験手法に焦点を当て、発表者らが取り組んできた技術開発と得られた知見について議論すると共に、鉄—水素系の相関係についての実験結果を紹介する。また、地球核の形成モデルから予想される地球核の水素量を示し、地球核に含まれうる水素の量について考察する。