2019年11月8日

Date: 16:00-18:00, Friday, November 8, 2019
Place: 3F, Lecture room, Main Chemistry Build.
Speaker:Keishiro Yamashita, Takehiko Yagi

日 時:2019年11月8日(金)16:00-18:00
場 所:化学本館3階講義室
講演者:山下恵史朗、八木健彦

講演者1:山下恵史朗(Keishiro Yamashita)
タイトル:ナノ多結晶ダイヤモンドとバルク金属ガラスを活用した単結晶中性子回折実験用の高圧セル開発
Title: A nano-polycrystalline diamond anvil cell with bulk metallic glass cylinder for single-crystal neutron diffraction
回折実験は物質の構造情報を直接的に得られる強力な手法であり、幅広い分野で用いられてきた。中でも単結晶中性子回折は粉末回折ではノイズに埋もれてしまう微弱なピークを検出でき、X線では困難な水素位置や磁気構造の観測が可能である。一方で、高圧実験においては高圧セルによる散乱や吸収が大きな障害となっており、これまで多くの改良が試みられてきた。近年その有用性が示されているナノ多結晶ダイヤモンドとバルク金属ガラスの二つの素材を活用して新たに開発したその場単結晶中性子回折実験用高圧セルを紹介する。

講演者2:八木健彦(Takehiko Yagi)
タイトル:ダイヤモンドアンビル装置 ー歴史、特徴、今後の展望ー
Title:Diamond anvil cell – history, properties, and prospects –
ダイヤモンドアンビル装置(Diamond Anvil Cell: DAC)は、その原型が1959年に発表されて以来大きな発展を遂げ、今や高圧科学の研究には不可欠な高圧発生装置となっている。セミナーではまず、DACがどのように発展してきたのかを振り返りつつ、その特徴や利用上の注意点をまとめる。さらに、ここしばらく推進してきた、その限界を超す400GPa以上の超高圧発生実験の経緯を含め、今後のさらなる発展の展望についてお話しする