2024年7月19日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, July 19, 2024

講演者:鈴木 敏弘
Speaker: Toshihiro SUZUKI

タイトル: 数値データから3次元画像へ(LA-ICP-MSの場合)
Title: From numerical data to 3D image (In the case of LA-ICP-MS measurement)

要旨:
 固体試料の表面を分析位置を変えながら測定し、得られた数値データと位置を基に、
数値を明るさや色に変換する事により、測定結果の2次元画像が作成されている。
さらに、測定する試料の「深度」を変えて2次元画像を作成して積み重ねる事により、
3次元画像を合成する事も可能である。この「深度」を変えて測定する方法としては、
「試料を研磨しながら測定」「試料をスライスして測定」等が考えられる。
これらの方法の場合は、各2次元測定は別々に行われるため、それぞれの位置を
どのように調整(縦、横、回転など)するかが問題となる。何らかの「基準」がないと、
測定者の主観だけでデータを積み重ねる事もあり得る。また、試料を固定したまま
「レーザーで掘り進める」方法も可能である。この場合は位置調整は不要だが
「深さの絶対値が求め難い」、「試料が均一に掘れるとは限らない」等が問題となる。
また、それぞれの2次元データ測定時の「装置の感度」等が変化してしまった場合、
測定した数値に対する補正が必要となる。このような補正を行うには、
標準物質を毎回測定する、等の対策が必要となる。



講演者: 八木 健彦
Speaker: Takehiko YAGI

タイトル: 高いレベルの研究を生み出していくために - 日本の基礎科学力低下の問題を考える –

要旨:
 近年、日本の基礎科学力の低下が問題になっている。確かに日本の大学や研究機関から生み出される論文の数やその引用数が、国際的な競争の中で2000年頃から確実にその順位を下げ続けている。その原因として、「選択と集中」を推し進める政府の科学技術政策や、国立大学法人化の問題、博士課程大学院生の人数減少、など多様な問題が議論されている。そんな中で今我々研究の現場にいる人間にできる重要なこととしては、より高いレベルの研究成果を目指して努力を積み重ねて行くことであろう。この問題に関して、私自身が経験してきたこともふまえて議論をしていきたい。