2025年1月31日

Date: 16:00-18:00, Friday, January 31, 2025



講演者:角森 史昭
Speaker: Fumiaki TSUNOMORI

タイトル:火山活動モニタのためのラドン同位体比連続測定装置の開発
Title: Development of a Radon Isotope Monitor for Volcanic Activity Observation

要旨:
本セミナーでは、現在開発中の低コストラドン計の開発状況について紹介する。

ウランが放射壊変して鉛になる途中に生成されるラドンは、壊変系列の中で唯一のガスであると同時に不活性な希ガスでもある。放射性ガスのラドンは肺がんの原因となることが知られており、欧米では防護対策が必要とされる、それなりに厄介なガスである。日本ではそのような防護意識はなく、むしろラドン温泉ラジウム温泉などとして喜ばれる。放射性希ガスという点を積極的に利用すると、物質の移動や現象の時間経過の評価に使うことができる。一昨年から、温泉泉質の管理の目的で行っている温泉水中のラドン濃度測定は、日本独特の測定環境といって良い。他方、ラドンは地震や火山の先行指標として利用できないか調べる研究も進められている。私が特に注目しているのは、火山噴火の先行指標としての利用である。われわれが住む東京にも伊豆大島三原山という火山があり、近いうちに噴火する可能性がささやかれているので、火山活動が低調なうちに計測を始め、活動活発化に備えたいと考えている。

市販品として購入できるラドン計測器は海外製のものしかなく、科学計測に利用できる機種は1台200万円近くする。そういう装置をおいそれと野外に置くことは難しいし、ましてや火山山体にバッテリーと共に放置するにはあまりにも気が引ける。そこで、昨年から1台数10万円未満になるような、市販品と同等性能のラドン計測器を開発してきた。昨年開発したものは、比較的低濃度のラドン濃度に対応する応答速度の遅いものであったが、これがスペクトル分解能の良さになっていた。温泉泉質の評価のためには市販品と同等の応答速度を出すことが求められたため、回路定数などを更新してバージョンアップを図った。応答速度は市販品と同じになったが、これが災いしてスペクトル分解能が2~3倍悪くなってしまった。その原因を突き止めるために時間を要したが、ようやくその原因を突き止め、応答速度とスペクトル分解能が市販品と同等で、およそ1/20のコストで製作できるラドン計を作ることができた。



講演者:賀 雪菁
Speaker: Xuejing HE

Title: Pressure and temperature effects on the crystal structure of a hydrated aluminophosphate

Abstract:
Hydrated salts of oxyacids widely present on Earth’s surface and on other planets, holding significant geological value as they offer insights into planetary evolution and water-related processes. In materials science, their unique physicochemical properties lead to extensive applications in energy storage, catalysis, construction materials, etc. Studying the crystal structures of hydrated salts of oxyacids under varying pressure and temperature conditions are of paramount significance. In this study, the crystal structure and hydrogen-bonding configurations of a hydrated aluminophosphate was investigated both under high pressure and under high temperature using combined experimental methods of single-crystal X-ray diffraction, powder X-ray diffraction, and Raman spectroscopy.