Date: 16:00 – 18:00, Friday, May 27, 2022
発表者：楊孟豪
Speaker : Yang Menghao
Title : Rapid and in-situ Detection of Organic Compounds using Mass Spectrometry coupled with Laser Ablation in Liquid
Mass spectrometry is emerging as a powerful method for the detection of various organic compounds. However, the existing methods of extracting organic compounds have various disadvantages. For example, MALDI has low quantification. LA-ESI may lead to fragmentation of organic compounds, and LESA cannot analyze insoluble organic compounds.
Here, I introduce an atmospheric pressure sampling technique: laser ablation in liquid (LAL). The LAL is a technique which involves laser ablation to be conducted with a liquid medium. The liquid medium can be switched accordingly for optimized sampling efficiency. Laser ablation is conducted through the liquid medium and extract components from solid samples. Most importantly, this technique can be used for local analysis (~200 µm) and can be combined with ESI for post-ionization.
In this study, LAL is carried out by placing a ring filled with solution on top of the sample surface. Laser is irradiated through the solution for analyte extraction. Here, we used resin containing organic compounds to extract organic compounds for preliminary evaluation to verify the potential of LAL for sampling of organic materials.
発表者：赤宗舞
Speaker : Mai Akamune
タイトル：液中レーザーアブレーション法による凝集の過程及び影響
Title : Process and effect of agglomeration by the laser ablation in liquid
元素はそれぞれが異なる元素合成過程を持っており、そのうち軽元素(原子番号が鉄までの元素)に関しては合成過程について明らかになってきている。また、重元素(原子番号が鉄以降の元素)の多くはs過程とr過程によって合成されたと考えられている(Burbidge et al., 1957)。それぞれの合成環境に関しては、s過程に関してはAGB星であったことが分かっているが、r過程に関しては超新星爆発や中性子星合体が候補としてあがっているものの、計算上では現在の太陽系の存在量を作り出すことはできておらず、物質的な証拠による制約が必要である。こうした元素合成環境を制約する物質的証拠の一つにプレソーラーグレインが考えられている。
プレソーラーグレインは、原始太陽系星雲で蒸発や凝縮による元素の混合・均質化を免れた粒子であり、その同位体組成から元素の形成環境を制約することができる(Zinner 1987)。また、プレソーラーグレインはそれぞれ別の起源に関する同位体情報を保持していると考えられており、それぞれの起源に関する同位体情報を取り出すためには、１粒子毎の化学組成・同位体組成情報を得ることが必要である。
隕石から粒子をサンプリングする方法としては、酸による残渣の回収方法が主に用いられている(Amari et al., 1994)。この方法は、マトリックスを排除した分析が可能であるが、膨大な時間が必要となり、また酸分解を行うことから表面の化学状態が変化する可能性が示唆されている(Tizard et al., 2005)。そこで、化学的処理が不必要である液中レーザーアブレーション(LAL)法を用いてプレソーラーグレインを抽出することを考えている。こうした背景から、本研究ではLAL法を用いることで隕石中からプレソーラーグレインをサンプリングし、ICP-MSを用いて隕石中の重元素を測定することで重元素の元素合成過程に制約を加えることを目指す。
LAL法は他のサンプリング方法と比較して、耐酸性の粒子も抽出可能であるという点で優れている。一方で、LAL法を用いた粒子の合成においてはLAL粒子の動作条件によって凝集や起きるという問題がある(e.g.,Elsayed et al., 2013)。従って、LAL法を用いてプレソーラーグレインをサンプリングする場合にも同様の問題が起きることが考えられる。そこで本実験では、固体中の超微粒子が凝集する過程の解明および凝集させることなくサンプリングするためのLAL動作条件の検討を行った。試料としては、隕石を模擬した標準岩石試料(JB1a)に粒径既知の白金ナノ粒子懸濁液（粒径70 ± 4 nm）を添加して樹脂で固めた物を使用して分析を行った。LALにはNd;YAGレーザーを、測定には飛行時間型ICP-MS(TOFWERK社製 icpTOF R)用いた。本発表では、実験結果とその考察について紹介する。