2022年12月16日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, December, 16, 2022 

発表者:甘利幸子

Speaker:Sachiko Amari

タイトル: 隕石中のプレソーラーグラファイト

Title: Presolar graphite in meteorites

プレソーラー粒子は隕石など地球外起源物質の中に含まれる星で生成された粒子である。いろいろな種類のプレソーラー粒子が発見、同定されているが、グラファイトは Ne-E(L)と呼ばれる22Neに富んだNeの成分を担っている。希ガスの同位体比異常だけでなく、他の元素、炭素、窒素、酸素などにも同位体比異常が観察されている。グラファイトに一番特徴的なことは密度によって同位体比的な特徴が変わってくることである。同位体比の特徴から低密度(1.6 – 2.1g/cm3)のグラファイトは主に超新星から、高密度(2.1 – 2.2g/cm3)のグラファイトは主に金属量(Heより重い元素の量)が少ないAGB星から由来したと考えられる。グラファイトの特徴をレビューしたのち、今行なっているグラファイトの測定についてのべる。

Presolar grains are defined as grains that formed in stellar outflow/ejecta and are contained in extra-terrestrial materials such as meteorites. Several mineral types of presolar grains have been identified. Of them, graphite is the carrier of a Ne component called Ne-E(L), which is enriched in 22Ne. Graphite grains show isotopic anomalies not only in noble gases but also other elements such as C, N, and O. One of the most intriguing features of presolar graphite is that isotopic features depend on density. Many low-density graphite grains (1.6 – 2.1g/cm3) formed in supernovae and a significant number of high-density graphite grains (2.1 – 2.2g/cm3) were produced in low-metallicity (metals = elements heavier than He) asymptotic giant branch (AGB) stars. In this talk, I will review isotopic features of graphite grains and discuss our ongoing experiments.

発表者:安田瑛生

Speaker:Akio Yasuda

タイトル: 高圧条件下におけるピリミジンとメタノールの反応性の考察

Title: Consideration of the reactivity of pyrimidine and methanol underhigh pressure conditions

核酸塩基・糖・リン酸が結合したヌクレオチドは生物の遺伝情報を担うDNAやRNAの基本構成単位であり、生体内のさまざまな代謝にも関与する成分である。原始地球においてこれがどのように初期合成されたかを解明することにより、生命の起源の手がかりが得られることが期待される。
一般的に高圧条件下でいくつかの有機物の反応性が著しく進行しやすくなることが知られており、常温常圧下で進行しにくい反応について高圧条件下で多くの研究がなされている。
先行研究によると常温常圧下でほとんど反応しないリン酸とメタノールの反応について、6 GPaの高圧条件下でエステル化反応が進行しdimethyl phosphateまで生成することが報告されている(Y Sun et al., 2018)。また、酢酸とメタノールの反応について、1 GPa前後で反応物が結晶化しない(液体又はアモルファス)条件下でのみ反応が進行したという報告がされている(H Takahashi, 2017, Master’s thesis)。
本研究ではヌクレオチド中の塩基と糖のグリコシド結合に注目し、塩基と糖の簡単なモデル化合物としてピリミジンとメタノールを取り扱う。そしてこの二化合物の高圧条件下での反応についてラマン分光やLC-MSなどを用いて考察し、氷天体でのヌクレオシド(塩基-糖結合種)合成の可能性について検証することを目的としている。
今回の発表では、①ピリミジンとメタノールの混合物の相転移についてのラマン分光法による考察、②ラマン分光器の時間経過による温度変化と圧力誤差についての考察、について簡潔に紹介する。