2018年6月1日

Date: 16:00-18:00, Friday, 1 June 2018
Place: 3F, Lecture room, Main Chemistry Build.

日 時:2018年6月1日(金)16:00~18:00
場 所:化学本館3階講義室
講演者:木多紀子(ウィスコンシン大学)

タイトル: 隕石コンドルール酸素同位体比分析の示す CC vs Non-CC  同位体リザーバー:原始惑星系円盤中の物質移動の痕跡?
要旨:
最近、Cr、Ti、Moなど元素の安定同位体は核合成起源の同位体比異常の結果から、炭素質コンドライト(CC)とそれ以外の隕石(non-CC)は太陽系の外側と内側の互いに隔離された二つの同位体リザーバーの中で形成した可能性が強く示唆され、隔離した原因が木星の形成であるとも考えられている。
炭素質隕石の個々のコンドルールの詳細なSIMSを用いた酸素同位体比分析結果、さらに一部のコンドルールについてはAl-Mg年代や54Cr同位体比組成の結果も合わせ、コンドルールの記憶した円盤中の同位体リザーバーについて考察する。その結果、炭素質コンドライトはnon-CC同位体リザーバーで形成したコンドルールを一部含んでいるが明らかになった。これは円盤中で二つの同位体リザーバーは数百万年経っても隔離されておらず、円盤中の物質移動に伴って二つの領域を移動している可能性を示唆する。