2021年2月12日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, February 12, 2021

日時: 2021年2月12日(金)16:00 – 18:00

講演者: 中野 遥

Speaker: Haruka Nakano

タイトル:未定


講演者: 丸形 詩歩

Speaker: Shiho Marugata

Title: Ba-induced changes in calcite properties and preliminary results on incorporation of amino acid into calcite lattice

タイトル: バリウムの取り込みによるカルサイトの性質の変化とカルサイト格子中へのアミノ酸の取り込みについての予察的結果  


炭酸カルシウムはバイオミネラルや堆積岩などとして地球上に普遍的に存在し、カルサイトとアラゴナイトが主要な多形である。Ca2+より大きな金属イオンの炭酸塩はアラゴナイト構造をとり、カルサイトには取り込まれにくい。しかし、非晶質炭酸カルシウム(ACC)を経由することにより、本来はカルサイトに取り込まれにくいSr2+やBa2+を取り込んだカルサイト構造の炭酸塩が合成できることが報告されている (Matsunuma et al., 2014; Saito et al., 2020)。カルサイト格子中に取り込まれる Sr や Ba の量が増加すると、XRDパターンにおいて113反射の消失がおこった。純粋なカルサイトでは1250 K で113反射が消失し、炭酸イオンの回転無秩序化に起因する可能性が示唆されている (Ishizawa et al., 2013)。しかし、MDシミュレーションや低温下でのXRD測定、DSC測定の結果から、Ba を含むカルサイト中の炭酸イオンは回転無秩序状態ではなく、静的無秩序状態であることが強く示唆された (Saito et al., 2020; 丸形 卒論, 2020)。
本研究では、カルサイト格子中への Ba の取り込みによるカルサイトの性質の変化についてさらに詳しく調べるために、固体NMR測定、IR測定、TG-DTA測定を行った。今回の発表ではそれらの実験結果とその考察について議論する。また、後半では現在取り組んでいるACCを経由したカルサイト格子中へのアミノ酸分子の取り込みについての予察的結果も紹介する。