2021年11月19日

Date: 16:00 – 18:00, Friday, November 19, 2021 

発表者:山本順司先生(九州大学)

タイトル:石の中に宇宙をさがす

要旨:
地球は最も身近な惑星のサンプルであり,また,太陽系の形成過程を探ることは地球の材料や熱量の制約につながる.このように地球科学と宇宙科学は互いに補完し合える関係にあるが,実際には互いに独立した発展を遂げている.この主因は太陽系形成初期の記憶を留めるサンプルが現代の地球に残存していないと思われているためであろう.言い換えれば,冥王代の地球で起こった事象を地球科学的に探ることができれば,地球科学と宇宙科学をシームレスに接続できるようになるかもしれない.そこで私は,現代のマントルに残るマグマオーシャンの痕跡と始源的成分を海洋溶岩の希ガス同位体組成から探る研究を続けてきた.本セミナーでは上記の内容に加え,マントルウェッジにおける物質循環系を捕獲岩を用いて探る手法についても紹介したい.