Date: 16:00-18:00, Friday, December 12, 2025
講演者:山本 蒼邦
タイトル: ヘリウム同位体から探る小笠原硫黄島のマグマ進化過程
概要:
硫黄島は伊豆小笠原諸島南部にある火山島で、活発な地震活動、地殻変動、水蒸気噴火が記録されている常時観測火山の一つである。2022年の7月に島南部の翁浜沖で有史では初めて軽石の噴出を伴うマグマ噴火が発生し、2025年現在も噴火活動が継続している。硫黄島の噴気は他の伊豆小笠原諸島の火山とは特異的に3He/4Heが低い(5.5-5.6 Ra)ことで知られており、スラブ由来の4Heが寄与しているのではないかと指摘されている(Sumino et al., 2004)。
本研究は2022年以降に硫黄島で噴出した軽石中の斑晶鉱物の希ガス同位体分析から硫黄島のマグマのヘリウム同位体組成を調査した。また、過去40年の噴気データと斑晶のヘリウム同位体を比較し、マグマ噴火との関連性やマグマのヘリウム同位体組成がどのように変化してきたのかを探る。
実験により、全岩化学組成からはマグマの組成変化は見られなかったものの、ヘリウム同位体分析から斑晶の一部は7 Ra前後という値が得られ、高いヘリウム同位体を持つ初生マグマ(8±1 Ra)の影響が示唆された。また、軽石試料には形状が特異的な長柱状のオリビン斑晶が含まれており、この鉱物の成因についても議論をする。
講演者:石野 好誠
タイトル: MOFを用いた櫛形電極によるH₂SおよびSO2検出の検討
要旨:
H₂S や SO₂ などの腐食性ガスや水分は電子回路を劣化させ、機器故障の主要因となる。しかし、既存の腐食センサの多くはガス成分の検出に特化しており、水分を含めた総合的な腐食要因の監視には対応していない。水分も併せて検出可能になれば、腐食リスクをより広範に捉えることができ、高い信頼性が求められる鉄道・電力・インフラ設備に適用することで、システム全体の信頼性向上につながると期待される。
一方、株式会社アキューゼのモイスチャーセンサは、水分を高感度・高精度かつ高速に検出できる。本研究では、このモイスチャーセンサに多孔質材料である MOF を組み合わせることで、水分と腐食性ガスを同時に検出可能な新たなセンサの創出を目指す。