2017年6月23日

Date: 16.00am-18.00am, Friday, 23 June 2017
Place: 5F, Conference room, Main Chemistry Build.
Speaker:Chikako Fujimoto

日 時:2017年6月23日(金)16:00~18:00
場 所: 化学本館5階会議室
講演者:藤本千賀子

Title: Structural change and reaction of amino acid under high pressure
タイトル:高圧下におけるアミノ酸の構造変化と反応の観察

要旨:惑星表層における生体関連分子の進化過程を解明することは、生命の起源を探る上で重要なテーマである。特に、アミノ酸のペプチド化はタンパク質生成の前段階であり、地球・惑星環境を模した前生物的条件におけるペプチド化実験が行われてきた。先行研究では温度と圧力が同時に加わるような系で行われた実験が報告されているが、圧力のみの影響は調べられていなかった。
本研究では、今までにアミノ酸の一種であるL-アラニンに、室温で圧力のみを与え、圧力誘起ペプチド化を見出している。圧力誘起反応で生成したアラニンペプチドは、現在LC-MSで分析が進んでおり、最長で11量体と思われる物質が検出されている。
LC-MS分析の際、2,3量体に関しては購入した試薬を標準物質として、サンプルとの比較を行っているが、3量体より長いペプチドに関しては標準物質を保有しておらず、サンプルとの比較が行えていなかった。そこで標準物質となるアラニンペプチドを、固相合成法を用いて合成した。
今回の発表では、標準物質となる合成したアラニンペプチドの分析と、LC-MSよりも小さなサンプル量で測定することのできるMALDI-TOF-MSでの分析の試みについて言及する。